平凡な庭

我が家の狭い庭に、今年も木瓜の花が咲きました。

木瓜(ボケ)の花言葉は複数ありますが、

その中のひとつ「平凡」は、

低木である木瓜が小さい庭に向いていることにちなむんだとか。

…?

カサカサと妙な音が聞こえると思ったら…

若いカナヘビが木瓜の枝を登っていました。

それも1匹ではなく、確認できただけでも5匹以上。

目的はなんだろう。木瓜の花に集まる虫でも狙っているのだろうか。

こちらにも1匹……おや…?

お休み中でしたか。これは失礼。

それにしてもなんと気持ちよさそうな寝顔だろう。


こちらはアセビ(馬酔木)の花。

枝葉にアセボチンという有毒物質を含んでおり、それを馬が食べると酩酊状態になることが

和名「馬酔木」の由来になっているとか。

アセビの花言葉の一つである「危険」はこの毒性にちなむとのこと。


アセビには他にも

ギリシャ神話に基づく「懇親・犠牲」

優しく清らかな姿から「純真」

旅情を誘う春に花を咲かせることから「二人で旅をしよう」

などなど、複数の花言葉が存在するようです(由来は諸説あります)。


蟻も花の蜜を求めてやって来たのでしょうか。

(見事にピンボケしていますが)


数年前に小株で植えた雪柳も立派になりました。

春の花なのに「雪」。

小さな白い花が雪の様だといいますが、

その小さな花びらの上に乗った白銀の粒子を見つめていると

よく晴れた朝の雪原が、本当にそこにあるように見えてくるのです。


冬の終わりを名残惜しんだ雪が、花となって春に咲いたのでしょうか。



これといって何も無い。陽当たりはいまいち、平凡な庭。

何もないから何気ないものが輝いて見える。隣の庭と比べる必要なんてない。



たぶん疲れた。多すぎる情報の雑踏の中で純粋な好きを見失いかけていた。

自分勝手な生き物でごめんなさい。


ここは平凡な庭。

自分の尺度で、好きだと感じるものに触れていたい。




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ご覧いただきありがとうございます。 これまでイラストの保管庫として利用させて頂きましたこちらの空間を、これからは日々を綴る場として活用したいと考えております。どうでもいい生存報告と小さな楽しみ。記録として思い出として、のんびりと小箱の中に集めていけたら嬉しいです。 降島ツカサ